ウナギ 完全養殖実用化が近い?

ウナギの養殖

生産率上昇!人件費を自動給餌で削減

ニホンウナギの完全養殖技術が実用化に一歩近づきました。横浜市の水産研究・教育機構を中心とする研究グループが、5つの技術的な課題を解決し人工稚魚の生産コストを8年前の22分の1に下げました。

写真引用先;横浜金沢観光協会「国立研究開発法人 水産研究・教育機構横浜庁舎」

養殖ウナギは、天然の碓魚を育てているのですが、1980年代以降、稚魚の採捕量は迷し、二ホンウナギは絶減危惧種に指定されています。

日本は中国や台湾からの輸入で不足分をまかなってきましたが、近年、東アジア全域で漁か振るわず、養殖ウナギの価格が高騰しています。

それで、完全養殖の研究に力を注いでいます。

ウナギの仔魚(レプトセファルス幼生)

写真引用先:国立研究開発法人 水産研究・教育機構「シラスウナギ生産部」

完全養殖とは、卵から人工的にふ化させたウナギを親とし、その卵をふ化させて人工稚魚に育てることを言います。

養殖菓界にとっての夢の技術、「完全養殖」が実用化されれば、天然の稚魚に頼らずウナギを生産できます。

水産研究・教育機構は2010年に世界で初めて完全養殖に成功しましたが、2016年までの人
工稚魚の生産コストは1匹4万円以上と、商業化にはまだまだ遠い道がありました。

今回、5つの技術的課題の解決によってコストは1800円まで下がり、天然稚魚(500~600円)との差が縮まりました。

稚魚生産コスト22分の1に

5つの技術的な課題を解決した

産卵~ふ化 母ウナギにしっかり食べさせつつ、最適な月齢やサイズで生殖可能な状態にする技を磨き、卵の質を向上させたことにより、母ウナギから安定的に採卵し、健全に育つ幼生も増加。
エサ 幼生はアブラツノザメの卵を食べることが碓認されていたが、アブラツノザメも資源が減っている。鶏卵や脱脂粉乳など身近な物を原料とした成長に優れる新飼料。特許出願中。
水槽 大型水槽で量産可能に。設備の低コスト化。特許出願中。
省力化 生産コストの大部分はエサをやる労働者の人件費だが、自動給餌システムで人件費を7割減。
選抜育種 ウナギは幼生の時に死ぬ率が最も高いので、幼生の期間を7%短縮。死ぬ率を低減。

人工稚魚を育てたウナギは、天然物のウナギや天然稚魚から育てたウナギと遜色ないといわれます。

研究チームは1匹の生産コストを1000円まで下げる目標を掲げています。

天然稚魚の価格は上昇傾向のため、「いつか価格で逆転する」といわれてます。

  • トピックス情報引用先;日経MJ2024年7月15日(月曜日)「ウナギ完全養殖 実用化へ道筋」を参考に大幅に書き直し。
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